誰もがなる眼精疲労｜目の疲れを改善

パソコン仕事をメインとしている方の中には「寝て起きても眼の疲れが取れない…」と言う方もいらっしゃると思います。もしかしたら眼精疲労を発症しているかもしれません。とはいうものの、「忙しくてなかなか病院やマッサージへは行けない」と言うこともあるでしょう。自分で出来る事としては、こまめに眼を休めるよう心掛けること。仕事をしていると中々難しいかもしれませんが、理想は1時間に1回、5分から10分ほど眼を休めると、眼精疲労発症のリスクを下げられます。

眼精疲労の場合、眼のピントが合わせる毛様体金(もうようたいきん)や、眼を動かす筋肉郡である外眼筋(がいがんきん)が緊張し、血管を圧迫されることによって血行不良が起こります。血液は酸素や栄養、白血球を送り届けてくれている為、血行不良が起こると、脳から「血液がたりてないよ」というサインが出ます。血行不良の場所への血流が一時的に増加することで、いわゆる炎症が起こるのです。つまり、炎症は治療反応の一種ともいえるわけです。

眼を保護しいている涙の分泌が減ったり、涙が蒸発して眼が乾燥するすると、かゆみがでることがあります。エアコンによる部屋の乾燥、パソコン作業や車の運転などによるまばたきの回数の減少が主な原因です。また、強いストレスも自律神経の働きを低下させて涙の分泌を抑制するので、かゆみが起きやすくなるのです。眼がかゆくなる原因疾患には、結膜炎、アレルギー疾患、アトピー性結膜炎、ものもらい、ドライアイなどがあります。人間の眼は、まぶたやまつ毛、涙、結膜などで守られていますが、細菌やウイルスの感染やアレルギー反応によって強いかゆみを感じる事があります。

首と頭の境目の深層には「後頭下筋群」と言う小さな筋肉が集まっています。この後頭下筋群は、首や頭が眼の動きと連携して動くのを制御する働きがあり、眼を使い過ぎると、後頭下筋群も働き過ぎて硬くなってしまうのです。また、後頭下筋群は、後頭骨と頚椎に繋がる為、眼精疲労に影響する自律神経とも密接なのです。眼を酷使し続けると眼の筋肉だけではなく全身の筋肉も緊張する為、頭痛や吐き気、首こりや肩こりなどの症状が起こるのです。

特にストレスは、眼精疲労の主原因です。ドライアイを引き起こす要因の一つです。緊張やストレスにより交感神経が優位になると、副交感神経によってもたらされる涙の分泌が低下し、眼の乾燥を招き、ピント調整がしにくくなり、ドライアイになりやすくなります。また、眼の乾燥を放っておくと角膜に十分な栄養が行き渡らないことで眼が疲れ、充血に繋がります。眼精疲労の予防のためには、リラックスする時間を意識して作ることが大切です。運動や息抜きなどをして、ストレスをためない生活を心がけましょう。ハーブティーには、ポリフェノールの一種「アントシアニン」の成分が含まれ、目の疲れや痛み、かすみ目などの症状を緩和する働きがある他、炎症を抑えて、結膜炎や目の充血、花粉症による目のかゆみ、ものもらいなどの目のトラブルに役立つ働きがあります。アイブライト、ハイビスカス、ビルベリー、マテ、カレンデュラなどがあります。

デジタル機器やLED機器に含まれるブルーライトは、網膜にストレスやダメージを与え、近視や睡眠パターンに影響を与える可能性があると言われています。ブルーライトカット眼鏡は、睡眠パターンを改善し、眼の疲労を軽減し、コンピュータビジョン症候群(デジタル眼精疲労、長時間のデジタル機器の使用によって引き起こされるドライアイ、眼のかすみ、頭痛、眼精疲労を指す)を改善すると結論付けられていました。しかし、ブルーライトカット眼鏡が非ブルーライト眼鏡と比べて、睡眠の質、眼の疲れ、眼の健康に違いをもたらさない可能性があることが判明しました。ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないようです。

目がショボショボしているときには、眼の周囲の筋肉が血管を圧迫し、疲労物質がたまっています。このような時に目の周りを冷やしてしまうと、かえって疲労物質を停滞させてしまうのです。反対に温めることで疲労物質を流すことができ、眼精疲労の改善に繋げられます。よほど痛みが強い場合を除き、基本的には眼を温めて下さい。濡らしたタオルを絞り、電子レンジで数秒温めればホットタオルを用意することができます。すぐに冷めてしまうのでジップロックに入れると温かさは長く続きます。眼を冷やすのはあくまでも炎症が出ているとき、又は痛みがひどいときに限り、しかも短時間にとどめるよう気を付けて下さい。あまりに冷たすぎると刺激が強すぎるので、「心地よい」と感じる温度にします。冷やしすぎると痛み物質が停滞するので、冷やす時間はせいぜい5分程度にとどめましょう。

予防法としては眼を動かす筋肉を刺激することによって、血管の収縮を防ぎ、眼精疲労の予防に繋げられます。近くと遠くを交互に見る際、人差し指を眼から10cm程度の所で立てましょう。最初に人差し指を見たら、次に遠くを見るようにします。再び人差し指を見て、遠くをみる…と言うことを繰り返します。眼のピントを合わせる筋肉が使われることで、血行を促進する事が可能です。もう一つの体操は、眼を上下に5回動かします。次に眼を左右に5回動かし、最後に円を描くようにグルグル眼を回します。時計回りと、反対回りを5秒ずつ行いましょう。

眼精疲労・疲れ目・涙目・ドライアイの症状は、ぼんのくぼ(うなじの中央のくぼんだところ)と、その2～3㎝ぐらいの上(眼の真後ろあたり)に滞りがあり押すと痛い箇所があります。そこをほぐして下さい。ぼんのくぼは自律神経を整えてくれるので、イライラしているときなどに指圧するとリラックス効果も期待できます。ドライアイや眼の奥が痛むのは咀嚼不足が原因となります。小腸経のストレスになると右側の眼に起こります。便秘で大腸のストレスになると、左目がドライアイや眼の奥の痛みに繋がります。後頭部のちょうど眼の位置の部分をほぐすと緩和します。頭全体をほぐしてみるのも良いでしょう。